外国人との養子縁組・認知ならアルファ・サポート行政書士事務所

外国人と日本人との養子縁組 【総論】

外国人と日本人との養子縁組の準拠法は、養親の本国の法律です。

日本人が養親となる場合には日本の民法に基づいて、養子縁組の実質的要件の成立

の有無が判断されます。一方、外国人が養親となる場合には外国人の本国法により

判断されることとなります。

加えて、養子の保護のため、養子の保護要件については、養子の本国法の規定も適

用されます。

法の適用に関する通則法(第31条第1項)

第三十一条  養子縁組は、縁組の当時における養親となるべき者の本国法による。

この場合において、養子となるべき者の本国法によればその者若しくは第三者の

承諾若しくは同意又は公的機関の許可その他の処分があることが養子縁組の成立の

要件であるときは、その要件をも備えなければならない。

2  養子とその実方の血族との親族関係の終了及び離縁は、前項前段の規定により

適用すべき法による。

養子の本国法における保護要件 (セーフガード条項)

例えば、日本人の夫婦が日本において中国人である子供を養子にする場合には、養

子縁組の実質的成立要件は日本の民法によることとなります。それと同時に、通則

法31条1項により、養子となる中国人の本国法である中国法において定められて

いる養子の保護要件を充たす必要があります。

中国養子縁組法における養子の保護要件は、平成22年6月23日付法務省民一第

1541号民事局民事第一課長通知によれば、養子の年齢が何歳であるかにかかわ

り無く、実父母の同意が必要とされています。

各国の養子縁組法

決定型・契約型

この分類は、国家の関与の程度による分類です。決定型とは、国家の関与の度合い

が強く、裁判所や行政機関が養子を認める決定をしなければ養子縁組が成立しない

制度です。契約型とは、当事者の合意と行政機関への届出のみにより養子縁組が成

立する制度です。

断絶型・非断絶型

この分類は、養子縁組の成立により実親と実子の関係が断絶されるか否かによる分

類です。断絶型は、養子縁組が成立すると、実親と実子の法的な関係は無くなりま

す。つまり親子関係が入れ替わることになります。非断絶型は、養子縁組が成立し

ても、法的な親子関係が増えるだけであり、養子は、実親と養親とふたりの法的な

親をもつに至ります。

日本民法が規定する養子縁組

普通養子縁組

日本の民法が定める普通養子縁組は、当事者が養子縁組届を提出すれば成立する契

約型であり、実親との法的な関係が継続する非断絶型です。

特別養子縁組

日本の民法が定める特別養子縁組は、家庭裁判所の審判により成立しますので決定

型であり、実親との法的な関係が終了する断絶型です。

外国人と日本人との養子縁組の形式的法律要件(縁組の方式)

法の適用に関する通則法(第34条)

第三十四条  第二十五条から前条までに規定する親族関係についての法律行為の方式

は、当該法律行為の成立について適用すべき法による。

2  前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は、有効とする。

日本在住の外国人が日本人を養子とする場合の養子縁組の方法【創設的届出】

よくご相談をいただくケースとして、日本人と外国人が結婚をし、日本人には日本人の

連れ子がある場合があります。この日本人である日本人の連れ子を外国人が養子にする

場合において、外国人の本国法が契約型の養子縁組規定を持っている場合には、日本の

市区町村役場養子縁組届を提出することによりすることができます。

ただし、あくまでも養子縁組の実質的要件の成立自体は外国人の母国の法律により判断

されますので、当事者が母国の法文の内容を提出し、証明することとなります。

日本在住の外国人が日本人を養子とする場合の養子縁組の方法【報告的届出】

上述のケース、すなわち日本人と外国人が結婚をし、日本人には日本人の連れ子がある

場合に連れ子を外国人が養子にするケースでは、外国人の本国法に従って養子縁組をす

る必要があることから、日本にある外国人の母国の大使館または領事館において、創設

的に養子縁組を行うことができる場合があります。その場合には、大使館又は領事館に

おいて成立した養子縁組を、日本の市区町村役場に事後的に報告して戸籍に反映させる

こととなります(報告的届出)。

外国人と日本人が養子縁組した場合の国籍の扱い

日本の国籍法の規定

日本の国籍法上、日本人が外国人を養子にしても、外国人が日本国籍を取得することは

ありません。また、外国人が日本人を養子にしても、日本人が日本国籍を失うことはな

く、外国人が日本国籍を取得することもありません。つまり日本法上、外国人と日本人

との養子縁組は、国籍について何等の変動も生じさせないということです。

ただし、外国人が日本人を養子とした場合に、外国人の本国法によって、日本人に対し

外国国籍が付与される場合がありえます。

外国人と養子縁組した場合の外国人のビザ(在留資格)

日本人が外国人配偶者の連れ子を養子とした場合の子の在留資格

外国人と日本人との養子縁組 【各論】

フィリピン人と日本人との養子縁組

当事務所でご相談の多い養子縁組の案件が、日本人とフィリピン人の養子縁組です。日

本人がフィリピン人とご結婚され、フィリピン人の連れ子を養子とするケースが多いで

す。

フィリピン家族法では、原則として外国人が養親となることを禁止していますが、連れ

子を養子とする場合には外国人との養子縁組を例外的に許容しています。

中国人と日本人との養子縁組

中国の養子縁組制度は、契約型かつ断絶型に分類することができます。当事務所でご相

談の多い案件です。養子の保護要件として、実父母の同意が必要になるため、これがネ

ックになることが多いようです。

外国人の認知 【総論】

民法779条

嫡出でない子は、その父又は母がこれを認知することができる。

日本の民法上の認知とは

嫡出でない子とその父との間に法律上の親子関係を形成する行為

認知の実質的成立要件 ※法の適用に関する通則法

(嫡出でない子の親子関係の成立)

第二十九条  嫡出でない子の親子関係の成立は、父との間の親子関係については子の出生

の当時におけるの本国法により、母との間の親子関係についてはその当時における母の

本国法による。この場合において、子の認知による親子関係の成立については、認知の当

時における子の本国法によればその子又は第三者の承諾又は同意があることが認知の要件

であるときは、その要件をも備えなければならない。

2  子の認知は、前項前段の規定により適用すべき法によるほか、認知の当時における

認知する者又はの本国法による。この場合において、認知する者の本国法によるときは、

同項後段の規定を準用する。

外国人の認知 【各論】

認知の遡及効と国籍

弊事務所にご相談の多いケースとしては、外国人配偶者とご結婚をされる前に子供を授か

ったが、出生の時点では諸事情から認知をすることができず、ご結婚を契機に、お子様も

認知するといった案件です。

この場合には、お子様の出生後、しばらくしてからの認知ですので、日本人の生物学的な

子供でありながら日本国籍を保有していません。そこで、問題となるのが民法の次の規定

です。

 民法784条 認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。


つまり、認知をすれば、生まれた当初から親子であったことになるのですが、それでは、

国籍も日本国籍を取得するのでしょうか?

残念ながらこの場合、日本国籍を出生当初に遡って取得することはない、と解釈されてい

ます。認知の遡及効は、民法の中でのお話であり、国籍法という民法とは別の法律までに

は影響を及ぼさないものと解されています。


よって、この場合は、日本の法務局で日本国籍取得の手続きを行うこととなります。